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     寺社

    vol.70 教楽来天満神社

    菅原道真を祭る社の二体の狛犬

     菅原道真(管公)を祭神とする神社で、地上から長い石段を登った丘の上にある。由来は不詳で、1873(明治6)年三月に村社となる。例祭は九月二十九日。かっては樹林に囲まれていたが、残念ながら現在では伐採され、昔の面影はない。
     階段を登りきったところに山門があり、この中に大牟田市指定の石造狛犬一対(阿像と吽像の二体)が安置されている。狛犬は、中国文化の影響を受け日本にもたらされたもので、神社の本殿の前などに据え置かれる一対の獅子に似た魔よけのための獣像である。
     「阿吽の呼吸」というように、阿は開声、吽は合声、最初と最後、呼気と吸気などを意味する。
     ここの狛犬は、凝灰岩(阿蘇山の大火砕流が推積してできた硬い地層)製で、台座と一体となっている。阿像は高さ72センチ、吽像は63センチ。若干欠けてはいるが、阿像・吽像そろって全体的によく残っており、その全貌を把握できる。ぐりぐりした眼、はにかんだような口元、ユーモラスな顔つき、丸く曲げた背中など、普段見かける狛犬とは一風変わった造りをしている。さらに、阿像の尻尾はわらび文様、吽像のは若葉文様を浮き彫りしている。
     阿像の台座には「秀行」他の銘が、また吽像には「大願主 藤原 □行」の銘が読める。さらに
    同神社に安置されている御神像「菅公(菅原道真)像」底部の墨書には、「寛正四年 大旦那 藤原武行 並志之施主 秀行 」とあり、この狛犬一対が、菅公像とともに、1463(寛正4)年前後に当地の藤原一族によって奉納されたものと考えられる。 
     寛正四年は、室町時代(1338-1573年)の中頃にあたり、当地では数少ない文字資料の一つであるとともに、石造狛犬の遺例としては、大牟田市内最古例に属する。
     2000年四月十四日に大牟田市指定文化財(彫刻部門)となった。

    ▼大牟田市大字教楽来字権現堂1114 ▼西鉄バス勝立経由・南関か庄山行きで教楽来下車してすぐ

    このページは大牟田市役所に勤務する主査・主任で構成する互助組織「大牟田市役所主査・主任会」で編集され発刊された「大牟田の宝もの100選」の中から紹介するページです。 発刊時のデータをそのまま引用していますので、問合せ先等に変更がある場合があります。ご確認をお願いいたします。
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