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     自然・風景

    vol.1 有明海

    漁獲量、学術研究、憩いの場、どれをとっても”宝”の海

     有明海には、九州最大の河川である筑後川をはじめ、多くの河川の流入によって大量の砂泥粒子が供給され、しかも潮汐による干満差が日本で最も大きく、最大六メートルにも達する。これにより広大な干拓が発達し、有明海の特徴となっている。この干潟が水質浄化に大きな役割を果たす貝類や様々な生物にとって棲みやすい環境をつくり、水産生物(幼稚魚)の繁殖、生育にとってなくてはならないものになっている。
     このような自然環境の中で、海苔(のり)を中心に、スズキ、クッゾコなどの魚類、アサリ、タイラギなどの貝類、クルマエビ、ガザミ(ワタリガニ)、イカ、タコなどさまざまな海の幸が、大牟田市で年間約十六億八千万円(1994~98年平均)水揚げされている。
     単位面積当たりの漁獲量によって海域の生物生産力を比較すると、有明海は日本の沿岸漁場の中で最高水準であり、非常に生産性の高い海域である。
     中でも海苔は、全国でもトップ・クラスの高い評価を受けている。その他に、タイラギ、クマサルボウ、シャコ、アゲマキ、メカジャ、ウミタケ、マジャク、ワケなどの珍味を地域住民に与えてきてくれた。
     また有明海には、ムツゴロウをはじめ、エツという魚、ヒメモズクガニという泳ぐカニ、「生きている化石」といわれる世界最大のシャミセンガイなど、日本国内では他に見られない希少生物が十五種類生息している。さらに、有明海に浮かぶ三池島は、ベニアジサシなどの野鳥の繁殖の場になっており、学術的にも重要な内海である。
     有明海で自然発生した海辺を利用した海水浴場は、大牟田市にある三池海水浴場だけである。三池海水浴場は半世紀以上の歴史を持ち、多くの市民に親しまれてきた。大きな干満差を生かし、海水浴、魚釣り、潮干狩り、貝殻拾い、ウインドサーフィンなど、多様なレジャーで海に親しむことができることから、市民の憩いの場として定着している。
     冬は、有明海一面に張りめぐらされた海苔養殖畑が夕日に映えて感動を与える。真っ黒な海苔を付けた海苔ひびと12メートル程もある竹や強化プラスチックの支柱が整然と規則正しく、見渡す限りに続いている。
     三池干拓の堤防に立ちこの風景を眺めると、毎年これだけの海苔畑を育て上げ、さまざまな美味しい魚介類を提供し、珍しい水産生物の生息場所になっている有明海の豊饒さ、雄大さ、力強さ、そして優しさが感じられる。家族、恋人・友人同士、釣り人たち、いずれの人にも心休まる憩いの場である。
     こんなに素晴らしい”宝の海・有明海”を永久になくしてはならない。

    ▼有明海=福岡・熊本・佐賀・長崎4県に囲まれた、湾軸約100キロ、平均幅15キロ内外、面積約1700平方キロメートルの大きな浅海性内海

    このページは大牟田市役所に勤務する主査・主任で構成する互助組織「大牟田市役所主査・主任会」で編集され発刊された「大牟田の宝もの100選」の中から紹介するページです。 発刊時のデータをそのまま引用していますので、問合せ先等に変更がある場合があります。ご確認をお願いいたします。
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